和三盆・糖蜜・白米・玄米・根菜と果実の皮

繊細な砂糖、和三盆の手作り現場のテレビを観た。
伝統的な製法で、プロの職人の仕事は凄い。
でも、疑問がある。上質の砂糖を作る秘訣は苦味の混じった糖蜜を可能な限り
排除すること。サトウキビを砕いた茶褐色の原料を何回も圧搾することで、糖蜜
を排除する。そうして白い砂糖になる。和三盆に限らず砂糖はそうして商品化され
る。廃棄される糖蜜とは英語でモラセス。モラセスは酵母の発酵を助ける働きが
あり、また5大栄養素材の1つと提唱する学者もいる。PANKENでは有機
モラセスを一部のパンに使用している。栄養価の高い素材を廃棄して、美味しい
残りを商品とするシステムは皮肉な贅沢に見えもする。白米と玄米の関係とよく
似ている。断然、玄米のほうが栄養価が高いけど、わざわざそれを白い米へと精製
する。根菜や果実の皮に栄養が詰まっている。それをわざわざ剥いて料理する。
ゴボウなんか、土を洗い落として、皮は剥がさず、そのまま食べればいいものを。
だから、優れた料理人のプロの味は、見目の綺麗さ、あるいは、繊細な味の追求
という虚飾に思えること多々ある。苦味や渋みや辛味を含めた自然のままの複雑な
味を楽しむセンスが乏しく自然の味覚を喪失しているのか。
ただし、根菜や果実の皮をも食べるためには必要条件がある。
それは有機であること。何故なら、農薬・化学肥料残留の素材は、皮を剥いて食べる
ほうがマシだから。