天神崎、枯木灘、奇絶峡

8月29日〜31日、紀伊半島の南、白浜、串本、田辺へ
小旅行した。3日間ずっと雨の予報だったが、30日の夜
に少し崩れただけで、ずっと晴天だった。
印象に残った場所は、天神崎、枯木灘、奇絶峡。
自然を守るナショナル・トラストで有名な、田辺市の天神崎の
美しい岩板状の海岸は刺激的だった。
期待のウミウシは発見できなかったが、何種かのウニや多種の
貝類や小さな魚群が引き潮時の岩の亀裂に棲息、透明度の高い
海の底へとダイビングする人たち、地元の老いた夫婦が海を
眺めながら弁当を食べていたり、我が娘は、天神崎に住みたい
と言い出すほどに圧倒的な自然の宝庫だった。
田辺市を流れる右会津川を上っていくと、奇岩の峡谷、奇絶峡
がある。地元の少年たちが川遊びしていて、少年たちの身の
こなし、急流もあるなかを巧みに泳ぐ姿は流石と思えた。
潮風の強い枯木灘の岩肌の海岸線(とにかく美しい!)を車で
走りながら南下していき、串本の水族館で、海の様々な生物、
なまなましく、とくに、多種のカラフルな珊瑚群が活発に動く
姿に魅了された。珊瑚って卵を産む。だから植物ではなくて
動物です。ということがよくわかる摩訶不思議な生き物の動き
が神秘的だった。
ちなみに中上健次の小説「枯木灘」は僕にとって日本の小説の
最高峰に位置する。その舞台となる枯木灘を見たいと急に思い
立っての旅に、子供の愉しみとして、白浜アドベンチャーワール
ドにも一応、行った。宿泊した宿からサイやキリンやゾウが見え、
どの動物の声かはわからないが、唸り吼える声も聞こえるから、
わざわざ行かなくても、という親の思いは無視されて、とにかく
行った。夜のサファリへ。ライオンは1日20時間睡眠らしいが、
しっかり起きていて、ホワイトタイガー、カッコいい。
いちばん感動的だったのは、イルカのショウ。
イルカと共に泳ぐボディスーツ姿のトレーナーたちは、まったく
イルカのようだった。芸をすれば餌をもらえる、それだけの関係
ではない、途方もなく一体化したような領域に思えた。
それからパンダの赤ちゃん2匹(2頭?)可愛かった。
夜、星空きれい。昼、雲がきれい。魚、美味しいし、安い。
やっぱり違うなあ。帰宅して一夜明けて、住居の周辺を眺めると、
高層のマンション建築、解体の工事の騒音。。。。天神崎の波の音、
奇絶峡の川の音、枯木灘の激しい海風、動物たちの唸り声は置い
といて。。。。
引越したくなるなあ。