銃犯罪・ミッション・新ベーグル&ケーキ

今回のサンフランシスコ滞在で、
いちばん印象に残った言葉は、
「サンフランシスコはアメリカではない」
親しくなった44歳白人に銃に関する質問をしたら、
まず最初にこの言葉が返ってきた。
普通に生活していて、銃には出会わないけど、
銃社会といわれるわけで、もちろん銃犯罪は多いし、
全米で年間1万人以上の人が銃の犠牲者となる社会と
いうこともわかっているけど、実際、銃を目撃
したことないから、そのリスクに関して、
アメリカ人はどういう感覚をもっているのかが知りたく、
これまでいろんな人に質問したなかで、
最も納得できる返答が上記の言葉だった。
「推測では、黒人の90%は銃をもっている。
全米で言えば60%が銃を持っている。
通常、黒人は黒人を撃つ。中国マフィアは中国マフィア
を撃つ。メキシコ人はメキシコ人を撃つ。黒人が白人を、
白人が黒人を撃つ場合もあるが、一般的には、同じ人種
のなかでの抗争やトラブルでの銃犯罪が多く、サンフラ
ンシスコは保守の共和党ではなく、民主党勢力が強いし、
ゲイの人たち等、自由な市民性をもっているので、自分
の知り合いの白人で銃を持っている人はいない、
サンフランシスコのビジネスマンやかたぎの仕事をして
いる白人は銃をもたない、なかには持つ人がいるとして
もそれは銃マニアの人であって」
と彼は言い、結論としては都市部とそれ以外では、
全然印象が変わるし、
おおまかには田舎のほうが銃の所持率高く、
護身のため親が子供に銃を買い与える場合も多いとのこと。
全米の人種別統計では、白人75%、黒人12%、アジア4%
なので、彼の言うように黒人の銃所持率が90%としても
白人大多数の国家だから、全米で60%の銃所持率になると
すれば、それは大多数の田舎、地方に住む人たちの銃に対
する考えがサンフランシスコの多くの人たちと異なると
いうことになる。
彼の車で、サンフランシスコを全貌できるツインピークス
に登り、山頂からの素晴らしい眺めに圧倒されながら、
西側の海の向こうを彼は指差し、
「あのオークランド、そしてその向こうがほんとうの
アメリカ」と言った。


僕は滞在中、サンフランシスコ・クロニクルという新聞
のWebサイトのなかの「crime」(犯罪)のページに目を
通すのを日課にしていました。
40万人都市のオークランドでは、年初から3ヶ月余りで、
26人が銃の犠牲者に。その殆どは深夜から夜明け前まで
の時間帯、路上で銃撃されており、喧嘩のこじれもあれば、
無差別的な殺人もあれば。
4月8日のイースター前の週末に断続的に9つの銃撃があり、
結果3人が死に5人が負傷した事件がオークランドの闇の
部分としてインパクト強かった。
79万人都市サンフランシスコはどうかというと、
オークランドほどではないけれど、週に1、2件の銃犯罪が
あり、それも僕らが住んでいる場所に近い、馴染みのある
徒歩20分圏内で2件。1件は深夜に喧嘩の延長で、
もう1件は動機明らかにされなかったが、夕方のラッシュ
アワー時の路上発砲。こういうのが怖い。
イースター明けの翌週末の夜、その数日前に歩いたテンダ
ーロイン地区(ここは危険区域)で、5つの銃撃があり、
1人死亡、3人負傷。やっぱり危険区域とされている場所
は怖いんだなと思う。昼間そういう場所を歩いていても、
確かに荒れた印象はあるが差し迫った恐怖は感じにくい。
毎日、記事を追っていると、多くの銃犯罪は人間関係の
もつれの印象だが、たまに無差別的で、それも日中に、
となると、その場所には行きにくい。サンフランシスコ
警察を持ち上げるつもりはないが、事件発生後、数時間
以内での逮捕が多かった。一方、オークランドは、犯人
検挙率が低い印象。


今回、僕らはミッション地区を愛した。
去年はヒッピー発祥の地とされるヘイト・アシュベリー
を愛した。ミッションは、西のドロレス通りから東へ
バレンシア通りまでは、綺麗な店もあるが、バレンシア
の東のミッション通りに入ると様相が急変する。
そこはメキシコ。と一部が中国化していて、
チンピラ風の若者がたむろしている。ミッション通り
までは大丈夫。だけど、それより東へ行くとかなり危険
区域になる。
ミッションにはラテン系の壁画がたくさんある。
学校や商業ビルやアパートの壁面いっぱいに描かれた
壁画は見ていて活力をもらえる。
メキシコ系のカフェやレストランでは、日中から
メキシカン音楽の流しが飛び入りして何曲か歌い、
また隣の店へとはしごする。明るくて力強い音楽に
あふれ、夜はさらにライブハウス化する店も多い。


僕らが滞在したアパートは一部改築工事がなされ、
イギリス人の大工とメキシコ人の助手
(漫才コンビのようで笑わしてくれた)と、
毎日のようにいろんな話をし、このメキシコ人、
英語は全然ダメで、日本という国じたいを知らず、
携帯ラジオのチャンネルは常にメキシコ放送(スペ
イン語)で、イギリス人の頭領もメキシコを愛して
いて、英語という共通語がなくても、人柄の良さは
じゅうぶん分かるし、ほんとに楽しい人たちだった。


サンフランシスコでは、パン屋という独立形態は
少なくて、多くはカフェまたはレストラン兼パン屋
であって、いろんなタイプのパンを食べたが、
なかでもベーグルに注目し、
様々な店のベーグルを毎日のように試食した。
帰国後、ベーグルの試作。
PANKEN独自の製法を開発しました。
パンの名はwaterBAGELの予定。
もちろん有機100%。
あと、アメリカ滞在中に、チョコレートの製法を研究。
PANKENでチョコレートの発売を考えたが、どうしても
動物性素材をカットできないため、断念。しかし、
近々、チョコレートケーキを発売します。
もちろん動物性素材は未使用の有機100%のケーキ。
試作を反復している最中。
GW連休中に完成させたい。
最後に、全粒粉パンも発売予定です。まもなく。