世間の常温パンを冷凍してもPANKENのパンにはならない。

パン作り以前は、パンのg重量を考えたこともなかった。
店頭に並ぶパンのなかで、コレとアレの2個食べたらお腹も膨らむ、
トレイにパンをのせるときに、このパンは具がたくさん入ってるように
見えるから1個で膨らむ、等と思いながら。
パン作りをはじめて、世間の1個100円〜250円程度のパンの多くが
異常に軽いということを知る。
PANKENのパンは高い。しかし個々のパンの価格÷重量で言えば、
世間の1個100円〜250円のほうが高い場合も往々にしてある。
単純に軽いパンのコストは低い。見た目がきれいなパンは食欲をそそ
るし、職人技が冴えていて美味しければ、買う価値もあるだろう。


さて、軽いパンになる主な理由。
それは化学イーストを使うから。短時間で発酵終了するから、その間に
空気が入りやすい。要するに、パンと一緒に空気を買っているわけだ。
だからコストが低い。化学イースト+添加物(イーストフード)等で
さらに発酵時間を短縮する方法もある。
インスタントイースト、ドライイースト、生イースト、イースト、
これらみな化学イーストのこと。イースト自体は酵母菌なので問題ないが、
培養に添加物が付着していることが問題とされる。イースト使用者は
否定するだろうけど。イーストフードは複数の化学添加物の塊りの総称。
天然酵母酵母菌培養に化学添加物を未使用。
一方、化学イーストを使って密度を高める製法はある。
粉と水の比率の問題でもある。粉の比率を高めて、枯渇しそうな水分を
いかに死守するかがポイント。潤沢な水分は逆効果。世間のパンの多く
は水膨れ、空気膨れしている。


じっくり長時間発酵の天然酵母パンは密度高い生地を作りやすい。
しかしとにかく時間がかかる。手間がかかる。自然の温度・湿度に
大きく左右される。均一のパンをコンスタントに作るには、それなり
の神経を使う。失敗すれば、繊細な密度は作れない。
武骨な固い天然酵母パンからは脱却できない。
機械制御で均一に。それもいいだろう。
結局、どんなパンを作りたいかを明確にして、パン作りの基本的な
全工程を疑う必要がある。基本は必要。でも、基本通りに作っていても、
世間の一般的な天然酵母パンと大同小異になるだけのこと。


ひとつはっきり断言しておこう。
店頭で売られている常温パンを冷凍しても、PANKENの冷凍パン
にはならない。
賞味期限1ヶ月後も変わらず風味を保持できるパンとして。
冷凍パンは、単に冷凍すればそれでOKなのではない。
冷凍する以前の、発酵から焼成、スライスに至るまでの細部に
冷凍パンの味の決定権がある。
世間の天然酵母パンおよびその他諸々のパン群と、
PANKENのパンは、一致する部分がとても少ない、です。