パンの進化についての報告

7月オープン時のオリジナル商品は5種。その後、8月8日に、くるみアーモンド。
8月29日に焼カレーパン、玄米雑穀(および、玄米雑穀・レーズン)、小麦を発売。

初期オリジナル5種の進化について。


カンパーニュ。夏場、大きく成長。重量は変わらず、夏太りすること多かった。
2センチ・スライス11枚前後の表示にしてるが、両端は枚数に入れておらず、
また、長さ26センチぐらいになることも多かった。
カンパーニュくるみアーモンドに至っては、先日長さ30センチをマークした。
生地の密度を重視すると、ほんとは、小さくまとまってくれるほうが理想。でも、
発酵していくパンを見ていると、もっと大きくなれ、と願う。一次、二次の発酵で、
理想的に高密度の大きさになって、いいぞ、と思ってたら、焼成で、思いっきり
伸びたりする。助走ゆるやかたっぷりで、ラスト一気に攻められた具合。


ライ麦。同様に大きくなる。水分を当初より減らしているが、スリムにはならず。
パンの水分たったの5g減で、パン生地の様相は、激変する。水分調整により、膨
らみに安定感が出た。発酵過程では、先日、日誌にも書いたが、サワー種を使わな
いので、ベタベタで、とても扱いにくい。でも、形さえ整えられたら、密度の心配
は要らないパン。ライ麦は、自分の力で、密度をつくってくれる面がある。夏場の
水分調整さえ、把握できれば、力強いパン。また秋は秋で、微妙な調整が必要になる
だろう。


カンパーニュ白いちじく黒いちじく。当初ドライいちじくを無秩序に混ぜ込んでいた。
なので、パンの表面にはみだしたり、柔らかい白いちじくは、半分ほど潰れ、潰れる
ことで、生地に果実の味が分散され、パンの形はぼこぼこ、自由気儘な出来を謳歌
ていた。が、いちじくが潰れると、潰れた部分の水分が生地を傷めるため、その後、
白いちじくは、二次発酵の前に、丁寧に入れるようになった。でも、黒いちじくは、
自由奔放なまま。8月半ば辺りから、黒、白いちじくは、二次発酵前に、パン生地の
内部にすべてロールして入れるようにした。パンの表面はつるんと綺麗になり、すべ
てのいちじくが潰れることなく、内部に入る。外から見ただけでは、いちじくは見えな
い。スライス断面のいちじくが鮮やかに。当初、黒いちじくは半カット、白いちじく
は4分の1カット、8月初旬より、白いちじく6分の1カットに。カット作業は面倒だ
が、同じ動きの反復、嫌いではない。単にカットするだけならラクだけど、すべての
実には、数ミリの枝がついてるので、それをカットしないといけない。


それからカナダ産有機小麦粉を、むそう商事+丸信製粉混合させて使用。8月下旬より。
むそうのコクのある小麦粉がPANKENの主力だが、丸信を入れることで、生地がよ
り繊細になるとわかった。なので、ドライフルーツ系3種は、同様の使用に。
カンパーニュとライ麦は、むそうの小麦のみ。ピュアなコクだけを追求するため。


同じカナダ産有機でも、収穫時期、業者によって、微妙に味が異なる。業者が違うとい
うことは、生産者、収穫場所が違うということだから、味が異なること、当たり前の話
なんだけど。時期によって、小麦の配合を微妙に変化させることは、これからもずっと
やっていくことになるだろう。そこが有機の面白いところ。小麦もパンも生きている。


シナモンアップルティ・カレンズ。このパンは変化激しい。有機アップルジュースでス
タートしたが、7月半ばジュース終売となり、急きょ、有機ドライアップルに変更。砂糖
コーティングされていない素のアップルをどの大きさで入れるか、当初は大きめにカット。
コーティングされていないため、パン生地の水分をアップルが吸収し、アップル周辺の
生地に空洞ができたりする。味は最高。でも、その空洞を埋めるため、水分調整、カッ
トを小さくしたりして、現在は、空洞殆どなくなった。有機スパイスたちも、水分をよく
吸う。小麦粉を二種混合することで、これまた生地の保水効果抜群になった。
有機スパイス群を、ハサミと手で、多少細かくする。7月中旬。特に、クローブの蕾は、
強い味なので、丁寧に砕いてます。このパン、いろんな素材がぎっしりなので、パン生
地に配合していくタイミングは、細かすぎて書けない。


ブルーベリーぶどうクランベリー。このパンは、当初から、殆ど変化してない。最初か
ら完成の域にある。独特の弾力の生地をもう少しだけ軽やかにしたく、8月下旬、小麦粉
二種配合。配合の割合は、各ドライフルーツパンによって異なる。あとは、有機ぶどう
ジュースの量を7月初旬に5〜8g増やしたぐらいか。